ストレスをうまく利用する3つのステップでパフォーマンス向上

2024年7月12日

みなさんこんにちは!今週はずっと霧で、湿気も相当、服がベタついてなんか気持ち悪いです。

さて、本題に入りましょう。

前回はストレスについてちょっと語りました。ストレスはほぼ健康の諸悪の根源とされてましたが、自分の経験や最近の心理研究ではストレスをもう一回見なすことを考えています。特にお勧めの本もありまして、後ほど紹介していきたいと思います。

ストレスというものをできるだけ遠ざけたいと思う人が殆どだと思いますし、自分もできるだけストレス抱えたくないです。でも、本番や様々なプロジェクトを迎えるその時、ストレスは自分の力を推進してくれる重要な味方になるかもしれません。

1. 自分がストレスを抱えていることを認識し承知する

「今緊張している、ドキドキする、ストレスを感じる」など当時感じている気持ちを認識しましょう。その感情や体の反応を察して、素直に自分の気持ちを受け入れましょう。

おそらく日本社会は世界でもっともストレスが高いと言っても過言ではないでしょう。ストレスを無視する、耐える、乗り越えろという考えが世間ではまだ一般的かもしれませんが、個人的にストレスを無視する、耐える、乗り越えるということは、すでにストレスをネガティブに見なして害を及ぼしています。そのストレスを否定する方向に持っていくよりは、受け入れることは大事だと思います。

2. ストレスはパフォーマンスを増進するチャンスと見なす

前回の記事にもお伝えしたように、プロの音楽家はストレスや緊張によって奇跡的な演奏を生み出すのです。

リヒテル、ギルレス、ホロヴィッツ、アルゲリッチ、そして作曲家・ピアノの詩人ショパンも、コンサートがあるたびにあがり症に悩ませれていました。しかし彼らは皆、もっとも優れた世界的ピアニストです。数々の伝説的な演奏やレコーディングを世に残し、今もなお人々を感動させ続けています。

「ストレスはあるが、今がチャンスだ!」と思った方が、気持ち的にもポジティブになれますし、自分の最高なパフォーマンスを生み出せるかもしれません。

3. 緊張・ストレスをワクワクに変える

そのストレスをワクワク感として捉えるだけで、パフォーマンスの成果が大きく変わるようです。

最近の心理学者の研究によると、このワクワク感として捉えるだけで、プレゼンテーションの成果も劇的も上がったり、不安症の人でも自身がつくようになるという結果が出ています。


実体験から学ぶストレス活用法

体験1: 音楽学院のオーディション

自分がある欧州の音楽学院の修士号の50分オーディションビデオを提出する時のことです。今振り返ってみると、もっと効率よく科学的な方法で準備するともっとよかったと思います。

でも当然、当時はそんな余裕もなく、練習と仕事(残業)の両立に悩まされました。オーディションプログラムの準備もギリギリで、締め切りに近づくにつれ緊張が増し、ストレスが倍増していったのです。

しかし、録音当日に自分にこう言い聞かせました:

「音楽を奏でる聖なる時間だ。」

ちょっと大袈裟に聞こえるかもしれませんが、実際にこういう風に考えて、レコーディング中に演奏に没頭しました。50分はあっという間に過ぎて、レコーディングを完成できたのです。

もちろん、完璧とはほど遠く、ミスもありましたが、このストレスを良いプラスのエネルギーと捉えてレコーディングした結果、オーディションが通り、さらに予想外でしたが奨学金も受け取ることが出来ました。

体験2: ストレスを集中力に変える

ある日移動中のこと。仕事のストレスを抱え、奨学金探しや留学資金の確保を考えているうちに、徐々にメンタル的に苦しくなっていきました。心臓が急にバクバクし始め、色々しなければいけない仕事や課題などが次々と思い起こされ、頭がおかしくなりそうでした。

もうダメだと思った時、「この苦しい気持ちは何かを捗らせるためにあるためだ」と言い聞かせました。そしていつも携帯しているKindleを取り出し、読書を始めました。(自分は読書好きで、外出にKindleを常に携帯しています。)

驚いた事に、とてつもなく集中力が高まり、読書の速度は普段の倍以上になりましたが、内容はしっかり頭に入ってきたのです。時間も忘れ、目的地に到着した時に心が落ち着いて、さらに達成感もありました。不安材料で満ち溢れたエネルギーを読書に集中する事にマインドセットしなおすことがうまい具合に出来たのだと思います。

その他の注意点

ストレスをうまく利用する方式や考え方をお話ししてきましたが、ここで強調したいのは:

本番当日など余計なエネルギーを浪費しないように注意すること

今の世の中でネットやスマホは確かに便利ですが、昔の時代の人と違って、情報量もそれなりに増え、情報の流れも極端にスピードアップしています。そのため、我々は毎日その莫大な情報を処理しなければいけません。スマホやネットは従って相当な集中力やエネルギーを消費してしまいます。

なので自分はいつも本番前に実施しているのは電話を見ないことです。もちろん会社や必須なものは最低限に使いますが、フェースブックやインスタグラム、ラインなどのSMSを全て見ないようにしています。そうすると本番の時は緊張やスマホによってエネルギー消費を最低限まで抑えて、本番で自分の最大限まで発揮することができます。

ちゃんと休憩やリラックスの時間を確保すること

このようにストレスを味方にするのはいいのですが、体と精神のエンジンをずっと起動したままで休憩を与えないと、もちろん精神的に持ちません。きちんとスイッチオン・オフできるように、時間を確保し、次のチャレンジやストレスに備えることができるのです。そうでないと、うつ病になります。

うつ病の方にはお勧めしません

ストレスをポジティブに考えることで多少うつの気持ちを軽減できるかもしれませんが、基本的にはうつ病は病気なので、無理矢理頑張ろうとしないで、精神的に休ませることが最優先です。うつ病で頑張ろうという気持ちは、自分の経験によると危険なので、しっかり休みをとって改善しましょう。


おすすめの書籍

上記の内容は個人の経験と今までの心理学の本に基づいた内容で、特にお勧めしたいのはケリー・マクゴニガルさんの『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』です。

上記の内容は個人の経験と今まで心理学の本に基づいた内容で、特にお勧めしたいのはこのケリー・マクゴニガル(Kelly McGonigal)さんスタンフォードのストレスを力に変える教科書という本です。

ストレスマネジメントや軽減法の方が主流ですが、この本はストレスを見直し、ストレスは人にどんなプラスを与えるかなど考察し、ストレスを新しい角度から対処法を教えてくれます。

ではまた。

前回ストレスに関する記事はこちらへ:https://lifejpn.clavierloner.com/?p=57